遺品整理士ってどんな仕事?遺品整理士の仕事内容をご紹介
最近、「遺品整理士」という職業に注目が集まっています。
しかし、遺品整理士について詳しく知らない人が大半でしょう。
故人の財産である遺品を整理するため、しっかりとした知識が必要です。
遺品整理士になるには資格が必要で、試験に合格しなければなることはできません。
遺品整理士の仕事内容をご紹介していきます。
1.遺品整理士とは?
遺品整理士は、「一般社団法人遺品整理士認定協会」によって認定される遺品整理の専門家です。
具体的には遺品整理士はどんなことをするのでしょうか。
遺品整理士の仕事
遺品整理士の仕事は、ご遺族の依頼で遺品を整理することです。
遺品の中には、貴重品や有価証券や骨董品などのような価値があるものもあります。まずは必要な物と不要な物を慎重に仕分けしていかなければいけません。
家具や電化製品を廃棄するかリサイクル業者に売却するかはご遺族の意向によりますが、業者の手配は遺品整理士が行うことがあります。
不要物は他にもたくさん。仏壇や位牌など供養が必要なものもあるので、お寺に依頼するのも遺品整理士の仕事になります。
また、依頼主の要望によっては、故人宅の清掃も業務のひとつ。孤独死の現場を特殊清掃し、原状回復します。
遺品はゴミではありません。故人の財産であるとともに、生きた証であり、ご遺族にとっては思い出の品です。一つひとつの遺品を丁寧に扱い、供養の気持ちを持って整理することが遺品整理士の仕事で最も大切なことです。
故人の財産である遺品を整理するには、正しい知識を身につけていないと後々トラブルになる可能性があります。
遺品整理士は、遺品を整理する知識を身につけるだけではなく、ご遺族とのかかわり方も心得ていなければいけません。
2.遺品整理士が必要とされる背景
一昔前は遺品整理を専門で扱っている業者は、ほとんどありませんでした。しかし、最近になって遺品整理を専門に扱う業者が増えてきています。
それだけ遺品整理士が必要とされているということです。
なぜ、急に遺品整理士が必要とされてきたのかその背景をご説明いたします。
2-1.超高齢、核家族化の影響
2017年の総務省の発表によると、日本の65歳以上の人が占める割合は27.7%。高齢者率は今後も増え続け、2065年には38.4%に達するといわれる超高齢化社会です。なんと2.6人に1人が65歳以上になります。これは「遺族の多くが高齢者になる」ということでもあるのです。
遺品整理は家具や電化製品の整理もあるので、高齢者には簡単なことではありません。
核家族化も急速に進んでいます。
遺品整理は数時間で終わる作業ではありません。故人と同居していた場合は、空いた時間で少しずつ遺品整理をすることができますが、離れて暮らしていた場合は大変です。休日を使って何回も遺品整理をしなければいけないので、遺族の負担は相当なものになってしまいます。
日本の高齢化が、遺品整理士が求められる要因になっているのです。
2-2.適切な遺品処分
ご遺品をリサイクル・リユースできるものと一般廃棄物(家庭なら排出される不用品等)に分別することや、不用品回収業者に引き取ってもらうには、手間も知識も必要です。
さらに、遺品の中には位牌や仏壇のように、普通の人にはどうやって処分すればいいのかわからないものもあります。
このため、正確な知識をもって適切に遺品を処分してくれる遺品整理士の需要が高まっています。
3.遺品整理士に依頼するメリットとは?
遺品整理を自分でするよりも、専門家である遺品整理士に依頼した方が多くのメリットがあります。
ただ、もちろんデメリットも存在。メリットとデメリットを理解しておきましょう。
3-1.メリット
・時間を節約できる
自分で遺品整理をしなければ、遺品整理業者との打ち合わせ以外は時間を使わずに済みます。遺品整理に割く時間のない方は、遺品整理士に依頼するのがいいでしょう。
・経済的負担を軽減できる場合がある
故人が賃貸住宅に住んでいた場合や、遠方に住んでいた場合には、家賃負担や交通費は相当なものです。遺品整理業者に料金を支払ってでも、依頼してしまった方が経済的負担が少ない場合があります。
・体力的な負担を減らせる
遺品整理は思っているよりも重労働な作業です。高齢者や体調が悪い人は、遺品整理業者に依頼するのがいいでしょう。
・精神的負担を減らせる
遺品整理をしていると、故人との思い出がその都度よみがえり、精神的に疲れてしまいます。遺品整理に時間をかけられる場合はいいのですが、時間がないときは精神的に大きな負担になってしまうでしょう。
遺品整理業者に依頼すれば、精神的負担を減らせます。残しておきたい遺品はしまっておいて、心の整理ができてから改めて取り出しましょう。
・短時間で遺品整理を終えることができる
遺品整理の知識がないと、スムーズに行えず予想以上に時間がかかってしまいます。遺品整理業者に依頼してしまえば、専門家のため短時間で遺品整理を終えてくれるのです。
3-2.デメリット
・料金がかかる
遺品整理を業務としている専門家に依頼するわけですから、無料というわけにはいきません。
・悪徳業者も存在する
需要が増えるほど、悪徳業者も多くなってきます。
「見積もり金額より多く請求された」「処分しないようにいっておいた遺品まで処分されてしまった」など、トラブルに巻き込まれる可能性があるのです。
悪徳業者に依頼するのを防ぐには、依頼しようとしている事業者が協会認定の遺品整理士の資格者であるかを確認しましょう。また、他の業者と比べてあまりにも多くのキャンペーンやサービスを行っている業者には注意が必要です。
遺品整理士は求められている職業
今後、高齢化が進むにしたがって遺品整理業界は拡大し、ますます遺品整理士の需要は高まっていくでしょう。2ヶ月間きちんと勉強すれば、遺品整理士の資格を取得できます。
需要の高まりから、今後は今よりも資格取得が難しい試験になる可能性はあります。
多くの人に求められている遺品整理士は魅力的な職業のひとつです。
まとめ
- 遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会によって認定される遺品整理の専門家
- 遺品整理士の認定試験は課題レポートの提出
- 高齢化、核家族化などから今後ますます遺品整理士の需要は高まるはず