空き家問題〜空き家増加による影響とは〜
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、平成25年の空き家の数は820万戸。平成5年が448万戸だったことから、この20年で約2倍に増えたことになります。
年区分 | 昭和43年 | 48年 | 53年 | 58年 | 63年 | 平成5年 | 10年 | 15年 | 20年 | 25年 | |||
総世帯数 | 千世帯 | 25,320 | 29,651 | 32,835 | 35,197 | 37,812 | 41,159 | 44,360 | 47,255 | 49,973 | 52,453 | ||
普通世帯数 | 〃 | 24,687 | 29,103 | 32,434 | 34,907 | 37,563 | 40,934 | 44,134 | 47,083 | 49,804 | 52,298 | ||
住宅総数(A) | 千戸 | 25,591 | 31,059 | 35,451 | 38,607 | 42,007 | 45,879 | 50,246 | 53,891 | 57,586 | 60,629 | ||
一世帯当たりの住宅戸数 | 戸 | 1.01 | 1.05 | 1.08 | 1.10 | 1.11 | 1.11 | 1.13 | 1.14 | 1.15 | 1.16 | ||
人の居住する住宅戸数 | 千戸 | 24,198 | 28,731 | 32,189 | 34,705 | 37,413 | 40,773 | 43,922 | 46,863 | 49,598 | 52,102 | ||
空家等 | 居住世帯なしの住宅 | 〃 | 1,393 | 2,328 | 3,262 | 3,902 | 4,594 | 5,106 | 6,324 | 7,028 | 7,988 | 8,526 | |
空家(B) | 〃 | 1,034 | 1,720 | 2,679 | 3,302 | 3,940 | 4,476 | 5,764 | 6,593 | 7,568 | 8,196 | ||
(B)/(A)(空家率) | % | 4.0 | 5.5 | 7.6 | 8.6 | 9.4 | 9.8 | 11.5 | 12.2 | 13.1 | 13.5 | ||
一時現在者のみの住宅 | 千戸 | 186 | 344 | 318 | 447 | 435 | 429 | 394 | 326 | 326 | 243 | ||
建築中 | 〃 | 173 | 264 | 264 | 154 | 218 | 201 | 166 | 109 | 93 | 88 |
(注)昭和43年は沖縄県を含まない。
資料) 総務省「住宅・土地統計調査」
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h26/hakusho/h27/data/html/ns008010.html
単純に考えて、世帯数が減ると空き家は増えていきますが、核家族化や単身世帯の増加から、世帯数は増加傾向です。
それにも関わらず空き家が増え続けるということは、世帯が増える以上に住宅が増えているということが調査結果からわかります。
今は世帯あたりの人数が減っているだけ世帯数自体は増えていますが、日本の人口は減少し始めています。やがて世帯数も減少に転じることは明らかです。
空き家が増えると、どんな影響があるのでしょうか。
周辺への悪影響
空き家は、自然に朽ち果てて土に還るものではなく、人工物が残ります。
徐々に傷んだ空き家は、次第に崩れ、倒壊の危険が増したり、屋根材などが飛散したりと、その敷地内だけの影響では済まなくなっていきます。
また、人がいないと害獣・害虫の温床になりやすく、やがて周辺へ拡散をみせます。
さらに、古くなった家は耐震性能も失われ、巨大地震に抵抗できません。
震災時に倒壊してしまうと、道路を塞いでしまうかもしれず、周辺住民の避難や救出に障害になる可能性を秘めています。
犯罪の増加
空き家は、不法侵入や不法占拠といった犯罪が増加することが考えられるでしょう。
死角になった空き家の内部で犯罪が行われれば、周辺の治安にも影響しますし、安心して暮らすことができなくなります。
また最近は、空き家への放火がニュースで取り上げられることも多くなっています。
放火犯は、連続して放火をする傾向が強く、空き家の多い地域は格好のターゲットになってしまいます。
今や空き家問題は所有者個人だけではなく、様々な悪影響から地域レベル・自治体レベルでも真剣に考えなくてはならないほど深刻となっているのです。