空き家対策〜『空き家対策特別措置法』と自治体や民間による対策〜
人口減少と少子高齢化で世代バランスが崩れ、浮上してきた空き家問題。
直面するのは、空き家がある地域の住民と自治体です。
これまでも自治体は問題が大きい空き家の対策をしてきましたが、財政が厳しいことと所有者の対策意識の低さから、なかなか進みませんでした。
こうした事態を受け、2015年2月に『空き家対策特別措置法』が施工され、同年5月には全面施行がされました。
これにより、空き家を放置すると所有者責任を問われるため、他人事としか考えていなかった空き家の所有者も、空き家対策を考える必要が出てきました。
『空き家対策特別措置法』は、特に危険度が高い空き家を「特定空家等」と定義し、行政の介入による対策に法的根拠を持たせています。
空き家が特定空家等に指定されてしまうと、所有者は自己負担で早急に改善しなければ、固定資産税の軽減措置が見直され、税負担が増すことになります。
また、立ち入り調査や修繕、撤去命令のほか、行政代執行で建物を解体され、その費用が所有者に請求されることになります。
空き家の所有者にとっては、空き家を活用したくても相手が見つからないというのが現状でしょう。
そこで「空き家バンク」と呼ばれる、自治体による地域の空き家へのマッチングサービスが登場しました。
空き家バンクは、空き家を探している側にもメリットが大きく、移住を考えている人に向けた空き家の開放、公共施設としての活用、福祉用途、観光分野など、その地域に必要な空き家の活用方法を考えた、自治体独自の取り組みも行われてきています。
また、空き家が遠隔地ともなると簡単な管理でも面倒になるというケースは考えられます。
そこで、民間業者による定期的な空き家管理サービスも近年増えています。
当然費用はかかりますが、その費用を惜しんで空き家管理を怠ると、やがては行政指導を受けますので、費用対効果は高いと言えるでしょう。