空き家を放置するとどうなるの?〜空き家放置で起こり得る問題・トラブル〜
住人が亡くなったり、長期入院や施設入居で住む人がいなくなってしまう。あるいは、住宅を相続しても、勤務先が遠方のため何年も空き家のままになっている住宅は少なくありません。
古くなった家は、老朽化していくのを避けられません。
適度に修繕しなければ、躯体を維持することすらできなくなってしまいます。
一般には、老朽化の原因は湿気だと考えられています。閉め切られた状態が続く空き家は、換気や採光がされないまま放置されるので、内部にこもった湿気が滞留して老朽化が早まるとされています。
家が老朽化すると、当然資産価値も下がってしまいます。そもそも家は、居住していても年々価値が下がるものですから、老朽化が進んだ空き家を放置していると、価値の下落を加速させてしまうことは言うまでもありません。
空き家が老朽化し、個人財産として影響するだけなら自己責任で済みますが、周囲に悪影響を与え、トラブルに起こす原因となる可能性があります。
地震や台風といった自然災害による外壁の剥落、屋根材の散乱等による被害や周囲への損害も十分考えられます。
建物の所有者には管理責任がありますので、瑕疵で他人に損害を与えた場合、民法第717条によって損害に対する賠償責任を負わなければなりません。
また、庭木が敷地からはみ出ることによる近隣トラブルも考えられます。
庭木や草花の管理を怠ったままでいると、いかにも空き家であることを露呈してしまい、放火・不法侵入など、複合的にトラブルを引き起こしやすくなります。
思い入れのある家を処分することをためらい、放置しているケースも多いでしょう。
しかし、使う予定がないのであれば、老朽化して近所迷惑になる前の段階で、解体に踏み切ったほうが良いのは明らかです。
老朽化した家をそのまま放置するのは、経済的損失だけではなく、社会的にも許容されないことを認識するべきだと考えます。