私たちの願い
住まいをゴミ屋敷にして、時には孤独死に至ることもあるセルフネグレクト。
それは特別な病気ではなく誰でもなる可能性があるものです。私も、私の家族も、同僚も、お隣さんも絶対に大丈夫と言える人はいないのです。決して他人事ではありません。
私たちは、遺品整理という仕事をする中でたくさんのゴミ屋敷や孤独死を実際にこの目でみてきました。あまりにも不衛生で劣悪な生活環境はまさに地獄です。その中でひっそりと生きてきた住人の方のことを思うと胸が痛みます。
どうしてこんなことが起きるのか、それを知りたくていろいろと勉強している中で、「セルフネグレクト」という問題に行きつきました。
セルフネグレクトは皆さんの今すぐそばにあるリスクなのです。
そしてそれは今の社会の在り方、様々な問題とも決して無関係なものではないのです。
セルフネグレクトは社会の病巣なのかもしれません。
自治体でも地域住民や民間企業と協力しながら対策や施策をたてていますが、把握することさえ難しいセルフネグレクト問題は簡単に解決にはできないでしょう。
一人でも多くの人が一日でも早くセルフネグレクトから抜け出せるには、どうすればよいのか。周囲の人が気にかけてあげること、決して無関心でいてはいけないのです。
目指すは「孤立者をつくらない社会」ではないでしょうか。
私たちは、この思いを伝えたくてこのコラムを書きました。
一人でも多くの人にセルフネグレクトの問題を知ってもらうこと、それが今の私たちにできることだと考えます。