セルフネグレクトの原因
日々の生活の中で疲れなどから、掃除や入浴が面倒くさくなってしまい、さぼることは多くの人が経験することです。一時的には生活が乱れることはあっても気持ちを切り替えて元の生活に戻っていきます。
セルフネグレクトは気持ちの切り替えができないで気力のない状態が継続してしまうのです。その結果、部屋はゴミ屋敷となり、病気になっても病院にも行かないことから時には「孤独死」に至ることもあるのです。
セルフネグレクトに陥る原因は様々ですが主なものは次の通りです.
〇認知症
認知症とは脳が委縮することで起こります。記憶障害の他にも物の判断ができなくなるなどの障がいが発生することがあります。この結果日常生活に支障をきたすこともあります。
〇病気やケガ
病気やケガが原因で入浴やゴミ出しなど生活に支障が出ることがあります。人の手助けが必要であったり、時間がかかる、体に負担があるなどから億劫になり、やらなくなってしまうことがあります。
悲観や不安から生きる希望を失い気力を無くすこともあります。
〇過度な長時間労働
働きすぎによる自殺や過労死が相次ぎ「働き方改革」が叫ばれていますが、過度の長時間労働はセルフネグレクトを引き起こす要因でもあるのです。
〇いじめ、ハラスメント
大きなストレスから周りとの関係を拒絶したり、自己否定等から、気力を失ってしまいます。
〇近親者の死亡
配偶者や親、兄弟など近親者の死去がきっかけでセルフネグレクトに陥ることもあります。
〇定年退職、失業 子供の独立、離婚
生活環境の大きな変化は、時に「生きがい」や「生きる目的」の喪失を伴い、そのまま無気力状態になってしまうこともあります。
〇経済的困窮
経済的な理由から生活が困難になり、「あきらめ」や絶望からセルフネグレクトに陥ることがあります。
この他にも恋人や友達との別れや、ペットの死などがセルフネグレクトの原因になることもあるようです。
セルフネグレクトは強制的に病院に連れていったり、部屋を片付けるだけでは、また同じことを繰り返すだけです。原因を知ることが立ち直りを支援する上でとても重要だといえます。