高齢者のセルフネグレクト
「孤独死」や「ゴミ屋敷」は高齢者に多く見られます。人は年齢ともに視力や聴力が確実に低下します。
筋力も落ちて以前のようには活動できなくなります。認知症を発症して物を片付けるという判断力に問題が生じることもあります。
その結果、入浴や買い物などの日常生活ができなくなり日常の生活に支障が起きます、「面倒くさい」という思いや、「もういいや」というあきらめから生活意欲を失い、セルフネグレクトになることがあります。
さらに定年、子供の独立、配偶者の死去等「心の支え」を失うことも、セルフネグレクトのリスクを高めています。「心の支えを失う」ことは認知症発症の原因でもありますので、相乗的にリスクは高くなってしまいます。
また、高齢者は周りに迷惑を掛けたくないという思いや自分の身体が弱ったことを知られたくないという思いが強く、周りに援助を求めない傾向も強いです。
これらは特別なことではなく、高齢者なら誰でもがもっている要因です。普通に生活してきた人でも年齢とともにセルフネグレクトに陥ることはあるのです。
高齢者のセルフネグレクト問題を取り上げた特番のダイジェストがNHKのホームページに掲載されていますので紹介します。
おはよう日本「なぜ普通の人が? “セルフ・ネグレクト”」
http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2017/02/0214.html
その番組の中で内閣府が6年前に行ったセルフネグレクトに関する調査結果、推計約11,000人という回答があった旨が紹介されています。そして実際には更に多いとの指摘もされてます。
著しい高齢化の中で、高齢者のセルフネグレクト問題はより深刻になっているといえます。
当時の調査結果資料です。
「平成 22 年度内閣府経済社会総合研究所委託事業」
「セルフネグレクト状態にある高齢者に関する調査―幸福度の視点から報告書」
http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou060/hou60_03.pdf