疎遠になっていた兄の家を整理したい

2023年が始まりました。今年はコロナによる外出制限もなく、多くの人が遠くに住む家族との再会を喜べる年末年始となりました。
今回のご依頼は疎遠になっていたご高齢のお兄様の遺品整理でした。とくに揉めごとがあったわけではなく、物理的な距離によって次第に行き来がなくなってしまったそうです。やはり直接対面することはとても大事なのですね。

ご依頼主さまの妹様は、遠方にお住いで、お兄様がお亡くなりになったけれど自分では片付けできないと、インターネットで私どもリメンバーズを見つけてくださいました。
現場の3LDKのマンションは賃貸なので、なるべく早く片付けて欲しいとのことでした。当日は妹様も来てくださり、スタッフの作業をサポートしてくださいました。このお部屋には初めて入ったご様子でした。

部屋の中はお兄様がご生前のまま手を付けていない状態で、どこに何があるか分からないので、ひとつずつ丁寧に確認しながらの作業となりました。特に貴重品や現金、通帳、思い出の品に関しては、都度妹様に確認してもらいながら作業を進めていきました。
広いマンションでしたが、テレビやポットなどの生活用品のほとんどがリビングに置かれていました。ご高齢になられてからは、ほぼリビングで生活しておられたのでしょう。寝室以外の部屋には、ご自分で生前に片付けておられたのか、衣類や寝具が整理されていて、仕分けの作業はほとんど必要ありませんでした。
また、大きな家具も少なく、家財道具はマンションのエレベータを使ってスムーズに運び出すことができたため、搬出は午前中で終了しました。

私たちがお昼の休憩をとっていると、ご依頼主様が缶コーヒーを差し入れしてくださり、少しお兄様のことを話してくださいました。お兄様はご自宅で倒れているところをヘルパーさんに発見され、救急車で運ばれましたが、治療の甲斐なくお亡くなりになられたそうです。

午後からは残りの片付けと清掃を行いました。すべての作業が終了し、ご依頼主さまに確認していただくと「ほんとうにありがとうございました。遠くの親戚より近くの他人と言いますが、皆さんのような頼もしい方々が近くにいてくれて助かりました」と言ってくださいました。私たちに対するお心遣いの中にも、ご兄妹の絆をひしひしと感じさせられる現場となりました。