遺品整理人ブログ

遺品整理の仕事現場のお話や遺品整理業者が日々感じていることなどをご紹介します。

施設で亡くなった認知症の父親の遺品整理

今年の5月は暑かったり、雨続きで肌寒かったりと天候が不安定でしたね。これからの暑さに対処するためには、少しずつ汗をかけるようにすることが有効だそうです。

先日、大阪市大正区の一軒家で遺品整理を行って参りました。
「認知症で施設に入っていた父親が亡くなったため、実家を片付けてほしい」というご依頼で、遠方に住んでいる息子様からご連絡をいただきました。リメンバーズのことはネットで見つけてくださったそうです。

現場は、閑静な住宅街に建つ庭付きの住宅でした。当日は2トントラックとパッカー車を玄関前に停めさせていただき、スタッフ4名で作業を行いました。お父様が施設に入られる際、最小限の家財道具しか持ち出す事ができず、ある程度の家具などは処分したそうですが、まだまだたくさんの荷物が残されていました。

息子様が押し入れの中など、ある程度整理してくださっていたので分別作業はスムーズで、大型の家具からどんどん搬出していくことができました。真新しい家電や高級家具などは買取りさせていただき、費用と相殺させていただきました。

「本当は施設にお世話にならず、私か妹の家族が面倒をみるほうがよかったと思うのですが、いろいろ事情があって。父には施設で寂しい思いをさせたのではないかと悔いが残ります。退所して、また自宅で過ごせる日が来るかも知れないと思いたかったんですけど…」と話してくださいました。

亡くなられたお父様は、認知症になってからも昔のことはよく覚えていらっしゃったそうで、書棚から出てきた古いアルバムを見ながら、息子様も懐かしがられていました。このアルバムを始め、お父様がお好きだったレコードや碁盤などは形見として持ち帰られ、妹様にもお母様の思い出の人形などをまとめて送られるとのことでした。

日本でも認知症の人が増えてきて、最後まで自宅で過ごすことが困難になるケースも増えています。高齢の親御さまを持つご家族の苦労を少しでも軽減できるよう、微力ながら私たちも生前整理や家の片付け、遺品整理などを通して寄り添っていければと願っています。

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