懐中電灯
遺品整理の仕事で大切なことの一つは、大切な遺品をきちんとご遺族にお渡しすることです。
細心の注意を払って確認作業をしていきます。
よくあるのがへそくりやタンス貯金です。
タンスの引き出しや本の間からお札が見つかるのはよくあることです。
それから、貯金箱に満タンの小銭。時には小銭をビニール袋に入れて押入れに保管、ということもあります。現代の貨幣に交じって、古銭が出てくることもあります。
現金の隠し場所というのは、皆さん考えるのは同じようで、似たようなところですが、時には驚くようなところから現金を発見することがあります。
遺品整理をしているときに目には入った非常持ち出しバッグ。中を確認すると水や食料、携帯ラジオ、タオルにビニール袋、缶詰めパン等々(消費期限5年という長期保存できるパンに驚きです!)かなりしっかりと準備されていました。「備えあれば憂いなし」です。
あっ!私の不注意で足元に転がった懐中電灯。拾い上げるとなんとも軽い。電池が入っていないのかな?バッグには未開封の乾電池のパックがはいっていました。
電池を入れたままだと液漏れするから抜いているのかなと思いながら、なにげなく懐中電灯の後ろの蓋を外してみて驚きました。
そこには、一万円札が!なんと10枚も入っていたのです。
これはへそくりというより非常時に使うための現金だったのでしょう。
実に理にかなった方法だと感心しました。
それと同時に、現金は予想もしないところに保管されていることを改めて認識させられました。
整理する遺品は膨大な数になります。
大切なものを見逃さないように、これからもしっかりと確認をしていきます。