入れ歯
遺品整理をしていると、亡くなられた方がどう生活されていたのか、垣間見える事も少なくありません。
先日は、一人暮らしをされていた、おばあさんのお部屋の遺品整理でした。
「あれ、こんなところに入れ歯が…?」
洋服ダンスを整理していたスタッフが服の間から入れ歯を発見したのです。
その後も、
「あれ?また入れ歯があった!」
靴箱、台所の引き出し、洗面台の裏、見つかった入れ歯は全部で4つもありました。
他にも、老眼鏡が5つ、しょうゆの買い置きが10本等、不必要と思われる数の生活用品がいくつもありました。
もしかすると、この部屋に住んでおられた方は認知症を患っておられたのでしょうか。
あらぬ場所に収めて、そのまま見つけられなかった入れ歯。
おばあさんはあちらこちら探しても結局見つけられなくて、何度も作ることになったのかな。。。
二間の決して広くはないお住まい、高齢になってからこちらに引っ越されたのか、家具や家財道具も少ないお部屋です。
もし誰かが一緒に探してくれていたら、入れ歯はすぐに見つかったのかな。。。勝手な憶測をしてしまいました。
4つ並んだ入れ歯や老眼鏡を見て、高齢者が一人で暮らすことの大変さを改めて感じました。
遺品の多くは廃棄処分になります。
しかし、他の人には価値のないものでも、それは故人の生活を支えてきたもので、単なるゴミではないと思っています。
これからも一つ一つ丁寧に扱っていきたいと思います。