遺品整理人ブログ

遺品整理の仕事現場のお話や遺品整理業者が日々感じていることなどをご紹介します。

高齢者世帯の悲劇

超高齢化社会を迎えた日本、高齢者が高齢者を介護する『老老介護』が増えてきているそうです。
介護疲れから伴侶を殺害した、介護苦からの無理心中など悲しい事件をよく耳にするようになりました。これらは社会問題として深刻であり、高齢の親と離れて暮らす自分にも、もはや他人事ですまされないと感じています。

遺品整理の仕事に携わってまだまだ経験はそんなに多くはないのですが、高齢者の独居死や高齢者のみの世帯での死亡現場の片付けの依頼は決して珍しいことではないのだと実感しています。

今回、お受けしたお仕事は遺品整理、ご両親が一度に逝去されたお宅の退去に伴う家財全処分でした。

ご親族が来られていたり、立会いをされる場合、少しお話を聞かせて頂きます。もしかするとそんなことは別にどうでもよくて、我々は予定時間内に作業が完了できるよう、ただ黙々と遺された物の分別をし、原状回復に注力すればよいのかもしれません。
しかしながら、こういった現場は、我々のような特殊な仕事に就いていてこそ知ることができ、どうしてこのようなことが起こってしまったのか、自分なりに考えてみたいと常日頃から思っているからです。

在宅介護で高齢者である旦那さんの介護をされていたのは、同じく高齢者であるその奥さん。おじいちゃんとおばあちゃんの高齢者世帯で起こった悲劇です。こちらは、古くからある昭和の長屋でした。皆さんも昔からの住人でコミュニケーションも取れていたそうです。ここのところAさん宅から物音がまったくしない、どうしたのだろうと住人が案じて息子さんに連絡したところ、中で二人が亡くなっていたそうです。旦那さんは病死、奥さんは熱中症による死亡だったそうです。エアコンはありましたが、付けていなかったようです。夏の高齢者宅での心配事、エアコンをつけない、水分をとらない。毎年同じようにして命を落とされる高齢者が後をたちません。ヘルパーさんははいってなかったと聞きます。他人の世話になるのが嫌いな世代だからでしょうか。

「高齢者は暑さを感じないからエアコンをつけない」と一般的にいわれていますが、原因はそれだけではないそうです。
認知症によるといわれていますが、「リモコンの使い方が分からなくなった」ことを言えなくて、「暑くない、エアコンはつけない」という高齢者がいるそうです。

こうなったら、遠隔操作のできるエアコンを設置して、親族が管理してあげるしかないですね。そうなると無線LANも必要だし…
これは熱中症予防対策なだけで、まったく根本的な解決ではないですね。

不幸な出来事ではありましたが、今回は「周囲の人間が気にかけてあげていた」からこその早期発見。高温の日々でしたが、目を覆い隠し、息を止めたくなるような状態でなかったことが幸いだったのではないでしょうか。

最低限の対策として、周囲の人が気にかけてあげること、関わっていくことが必要だと思いますが、この問題についてはまた改めて触れたいと思います。

お二人のご冥福をお祈りいたします。

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