絵を描くのが趣味だった独居のお父様の遺品整理
6月11日は、暦の上で雑節のひとつ入梅になります。
近畿地方では、入梅に合わせるかのように、気象台が10日に梅雨入りを発表しました。
少し前の話になりますが、「ひとり暮らしをしていた父が亡くなったので、実家の片付けをしてほしい」とお電話でご依頼をいただきました。
現場は大阪市西淀川区にある3LDKの一軒家、ご依頼主さまである娘さん立会いのもと作業を開始しました。
お父さまは、1階で寝食をしていたようで、リビングダイニングと和室に家財道具が集約されていました。またお父さまは、生前整理をおこなっていたり、物の少ないミニマムな暮らしをしていたりと、荷物も少ない生活を送っていたようで、搬出作業もスムーズにおこなえました。
2階の二部屋は、趣味である絵を描くスペースになっていました。
多くの作品や描きかけの絵、イーゼル、筆、絵の具など画材道具が所狭しと並んでいました。それらもすべて処分してくだい、とのことだったので搬出をして作業を終了しました。
作業後ご依頼主さまは、お礼の言葉とともに頭を下げられた後、「父の大切にしていた絵や思い入れのある絵など一部の作品は、私や親族で形見分けをしたのですが、全部を保管するのは無理でした。仕方なく処分をお願いしたのですが、やっぱり寂しいですね」と残念そうな表情で話されていました。
その時、目に涙を浮かべられていたのが、とても印象的で記憶に残っている現場です。