細かい物も見逃せない遺品整理
猛暑が過ぎたと思ったら、台風や大雨で各地に被害が出ています。被災地の皆さまには心からお見舞い申し上げます。私たちもいつ自然災害に見舞われるかも知れません。日ごろから防災対策は怠らないようにしたいものですね。
遺品整理の仕事で大切なことのひとつは、残すべき品物をきちんとご遺族にお渡しすることです。ですから仕分ける際は、細心の注意を払って確認作業をしていきます。
今回の現場は3DKのマンションでした。お子様たちが独立され、ご主人を亡くされたあと、十年余りお一人暮らしをされていた奥様は、若いころからずっと趣味で洋裁をされていたそうです。押し入れの中には端切れやボタン、針やハサミなどの洋裁用具がお菓子の箱や小引き出しに整理されぎっしりと入っていました。
ご高齢になられてからは針を持つことはなかったそうで、ミシンにはうっすらとホコリがかぶっていました。洋裁の用具や材料、小物類は、一つ一つが小さくて素材もいろいろで分別するのは一苦労です。特に針やハサミなどはきちんと分別しないとケガをする恐れがあるので、気を使いながら袋にまとめていきました。
こうした細かいもの以外にも、ご高齢者様宅で気を付けないといけないのがヘソクリやタンス貯金です。タンスの引き出しや仏壇、本の間からお札が見つかることは結構あるのです。
ヘソクリの隠し場所は、だいたい共通したところにありますが、この日の作業では冷蔵庫のドアポケットに入っていた茶筒の中にありました。持ち上げてみるとジャラジャラと音がして重かったので、開けてみるとたくさんの小銭と一万円札が8枚入っていました。
このように予想もしないところに大切なものが保管されていることが少なからずあります。
遺品整理の作業では膨大な数の品物をスピーディーに分けていかなければなりませんが、一方で大切なものを見逃さないよう、しっかりと確認をしていくことが大切だと改めて認識させられました。