遺品整理人ブログ

遺品整理の仕事現場のお話や遺品整理業者が日々感じていることなどをご紹介します。

アンティークな洋館の遺品整理

梅の便りが聞かれるようになりました。まだまだ寒いこの時期に桜ほどの華やかさもなくひっそりと咲いていますが、梅の香りがどこからともなく漂ってくるので、周囲を見回して探してしまいます。梅、桃、桜と春を感じさせる花のリレーが始まっています。

今回は施設に入所されていたご両親が相次いでお亡くなりになり、ご実家を貸し出すために遺品整理をして欲しいとのご依頼で、ご長女様からご連絡をいただきました。

東住吉区の閑静な住宅街にあるお宅は、壁や床がピカピカと黒光りするほど掃除が行き届き、階段の踊り場には小さなステンドグラスがはめ込まれたアンティークな洋館でした。ご両親は「良いものを長く使う」ことを大切にされていたそうで、スッキリと片付けられた様子はモデルハウスのようでした。

車で1時間ほどのところにお住いのご依頼主様は、しばしばご実家の片づけに通っておられたそうで、ご両親も快適にお住まいになっていたと思われました。
既に必要な物は形見分けされていたので、家に残った物は全て処分品として、ひと部屋ずつ片付けながら分別していきました。資源ゴミとして再利用されるもの、小型家電や鍋、やかんなど金属製のもの、ライターやボンベのような危険物など、それぞれの市町村の区分にそって仕分けしていきます。

長年使われていた和ダンスやサイドボードなどはパッカー車で破砕して処分場へ運びます。大きくて立派な一枚板のテーブルや縁飾りの美しい鏡などは、リユース可能と判断してそのまま持ち帰りました。

サイドボードには高級ブランデーなどのボトルが何本も並んでいました。他にも床下収納からは、お歳暮と書かれたブランデーやウィスキーの箱がたくさん出てきました。お父様は洋酒が大好きで、人からよくもらっておられたそうです。娘様はアルコールがダメなので処分してくださいとのことでしたが、未開栓のものは買取りさせていただき、今回の作業代金から相殺させていただきました。

ご依頼主様が処分してほしいと仰っていても、価値のあるものはどのお宅にもあります。それらを大切に次の人に引継いでいくことで、少しでも世の中のお役に立てることも私たちの喜びのひとつです。

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