ゴミ屋敷とセルフネグレクト、そして孤立死へ
この仕事に就くまでは、テレビ番組で見るゴミ屋敷や汚部屋といった状態は、全くの人ごとでしかなかった。
単なる片付けられない人、使わないのに捨てられない人、性格がルーズ、心の病気?…
神経質で散らかった部屋などあり得ない私にとって無縁のこと、昨今のように社会問題化するとは思いもしなかった。
セルフネグレクト、この言葉を知ったのは、遺品整理士になってからのことだ。
ネグレクト(虐待)といえば、幼児虐待、児童虐待が思い浮かぶ。セルフネグレクトは自己放任と訳される。
セルフネグレクトとは、自分の生活に極度に無関心となり、著しく生活環境と健康状態が悪化する状態のことで、やがては孤立死に至る。認知症、精神疾患、環境の変化、経済的困窮・・・・きっかけは様々である。
自分のことは放っておいてほしい→きちんとした食事を摂らない・お風呂に入らない・掃除しない→体調が悪くなっても病院に行かない。
周囲の方とも関わりを持とうとしない(自分の殻にこもる)→社会から孤立→意固地になる、誰の世話にもならない。ここまで至ってしまうと支援ができない。支援しようにもかたくなに拒まれてしまっては、助けようがないそうだ。孤立死の8割がセルフネグレクトによるとも言われている。
もしご高齢の親御さんと離れて暮らしておられるなら、なるべく頻繁に訪ねてあげて下さい。「ヘルパーさんの世話にはならない、まだ必要ない」という言葉は本当でしょうか。
ご多忙でたまにしか会いに行けないなら、その時は小さな変化にも気付いてあげて下さい。もし、生活環境が酷くなった、と感じられたら、それは予兆かもしれません。
どんな汚部屋もゴミ屋敷も、私どもにお任せください。
お部屋をスッキリさせ、気持ち良い生活を取り戻すことで、心にも変化は出るはずです。
Before
After