落書き
ようやく、日々しのぎやすい季節となりましたね。
皆さんは、子供が壁に描いた落書きを消すことが出来ずに困ったことはありませんか?
今回はそんな「子供の落書き」のお話です。
その日の依頼は、大阪市天王寺区の、お母さんが亡くなられた事に伴う、生家の遺品整理のお仕事でした。
作業開始し、処分する家具を次々に運び出します。
居間に大きな食器棚があったのですが、なぜかその置き場所が不自然で「ここにあったら生活にすごく邪魔だったろうな…」と思っていました。
そして、その食器棚を移動させると、隠れていた白い壁に、「おかあちゃんのあほ」と特大の文字で書かれていたのです。
何度も拭いて消そうとしたのでしょう、よく見るとクレヨンで書かれていた子供の字は擦れて薄くはなっていましたが、周りの壁を黒く汚すだけで、落書きはくっきりと残っていました。
何年もの間、邪魔な位置に置かれた食器棚は、消せなかった落書きを隠すためにものだったのです。
思わず見つけた家族の歴史に顔がほころんでしまいました。
書いた張本人様からの依頼に従って、長年そこにあった落書きはプロの技術でしっかりと消させていただきました。
「おかあちゃん、きれいに落ちたよ」
白くなった壁を前に、私は心の中で顔もしらない人に向かってつぶやいていました。
遺品整理や引っ越しの時には、思いもよらなかった大きな汚れが見つかったりするものです。
こんな頑固な落書きでもプロの技術で綺麗に落とせますので、安心してお任せください。