遺品整理人ブログ

遺品整理の仕事現場のお話や遺品整理業者が日々感じていることなどをご紹介します。

亡くなった父の孤独死現場の原状回復をして欲しい

「孤独死をした父が住んでいたマンションの原状回復をしてほしい」
と息子様からご依頼を頂きました。

夜遅くのお問い合わせでしたが、直ぐに現場に急行し合掌後にお見積もりをさせて頂きました。
ご依頼主さまもお急ぎのご様子で、すぐに作業依頼を頂きました。

死後2週間との事でしたが、気温が高めの日が続いていたせいでしょう、ご遺体の傷みが進行している痕跡がありました。
お部屋は1LDKです。まずは二酸化塩素で消毒・消臭を済ませ、汚染物の撤去をし、害虫の駆除を済ませます。汚染は畳にも広がっていたので、家具を移動させその畳も撤去致します。マンションの畳の下はすぐコンクリート。コンクリートは水を通しやすいので、階下への影響がでるため、汚れていても削りとることはできません。このような場合は、臭いの封じ込めとしてコンクリートにコーティングを施します。この日は、一旦作業完了でオゾン脱臭装置を設置し、部屋を出ました。オゾン脱臭装置は高濃度のオゾンで臭いを除去する特殊な装置です。臭いがひどい場合は、3日稼働させる場合もありますが、今回は2日で臭いはなくなりました。

そして3日目は、ご遺族様と共に遺品の整理・片付けをさせていただきました。
お父様が孤独死され、2週間も気づかれなかったという受け入れがたい状況の中、粛々と遺品の整理をされているご遺族様のお気持ちに添える様、誠心誠意作業をさせていただきました。
悲しみの中での「ありがとうございました」という言葉に、胸が締め付けられる思いでした。

年々増加傾向にある「孤独死」。もはや他人事で済まされないと思います。
「連絡がないのは、元気な証拠」でしょうか?親御さんと離れて暮らしておられるなら、日々の安否確認をなさって下さい。どうぞ後悔のないように…

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